君の名前を忘れない

行ったトコ、食べたもの。写真置き場。か、もしくは存在証明。Yahoo!ブログから引っ越してきました

おねえちゃん

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2011.4.2 尾道市因島大橋 Power Shot S95
 
今回の震災の報道で、一つ、とても印象に残った映像があった。
 
地震が起きて、時間が時間だったから、子供と親とがばらばらになってしまったご家族も多くて、たぶん震災5日か6日後のニュースだったけど、再会し始めてます、という内容のニュースの中で入ってた映像。
 
姉妹で、避難してて、親とは震災後会えてないという話だった。
結局親も無事で別の場所に避難してて、学校の先生なのか、ほかの誰かなのかは分からないんだけど、その姉妹と、お母さん(らしき声)の人がやっと電話でお互いの無事を確認する、というそのシーン。
 
お姉ちゃんの方は多分8~10歳くらいで、妹の方は4~5歳じゃないかと思うけれど、私は子供の歳がいまいち分からないので、ちょっと違うかも。
 
最初に話をしたのは妹さんの方だった。
 
「大丈夫だった?」「うん、大丈夫だったよ。おねえちゃんが、大丈夫って言ってくれて、ちゃんとしてくれたから」
 
妹さんの方は、とにかく聞けたお母さんの声に、満面の笑顔で、にこにこしながら、電話をしていた。
すごく嬉しそうで、「じゃあおねえちゃんにかわるね~」と言って、お姉さんの方に電話を替わった。
 
お姉さんの方は、最初二言、三言しゃべって、電話の向こうが本当にお母さんだということを確認したようだった。と思ったら、うわーん! とその瞬間号泣した。
何を言うことも出来ずに、ただただ、ものすごく全身で泣いていた。その映像でも多分1分近くは泣いていたので、実際はもっとなんだろう。
 
それを見た妹が「おねえちゃんが泣いたの、はじめて見た」とつぶやいた。
 
多分震災があって、自分が頑張らなきゃって思って、自分が泣いたら妹が不安がると思って、必死でこらえていたものが、お母さんの声で切れてしまったのだと思う。
「おねえちゃんだから」しっかりしなきゃ、自分が守らなきゃ、がんばらなきゃ、ってすごく、すごく頑張ったんだろうなと思う。
 
そのニュースを見ながら、私もテレビのこちら側でボロ泣きしていた。
こんな小さい子に、どれだけ頑張らせてるんだろう、って思う。この映像の姉妹だけじゃなく、たぶんあちこちに同じような「きょうだい」がたくさんいたのだと思う。そして今も、おねえちゃんや、そしておにいちゃんがどこかで頑張ってるんだろうと思う。
 
この子たちは、お母さんに連絡がとれて、よかった。でも多分、取れないまま、の子たちもいるんだろうな。
どうか、願わくば……無事に再会できている人が少しでも多いことを。そして、頑張ってる子たちが、将来少しでも報われますことを。
 
日本というクニ(政府として、という意味でなく)は、どこまで頑張らせるのが好きなんだろう……