先だって
先日、父が亡くなりまして、３日ほど帰省していました。
中一の時にすでに母をなくしているので（今の母はいわゆる継母になります）これで血のつながりのある親は二人とも見送ることが出来ました。
親より早く死ぬのは最大の親不孝、と言いますが、それだけはしなくて済んだな～とか、そんなことを考えていました。
２００３年の年始に脳腫瘍で倒れ、１３時間の大手術。
成功しても、生きられるのは２～３年、立つこともしゃべることもできないでしょうと言われていたのに、目が見えなくなるのは割と早かったですが（それでも術後４年くらい）この夏くらいまで、大抵のものは食べていましたし（目が見えないので、母が食べさせていましたが）、言葉も、９月に入院した時に見舞ったら「来てくれたん？ ありがとう」と言っていたので、手術した時のことを思えば、考えてみれば奇跡的な生き延び方でした。
悲しいかと言えば、そんなに悲しくはなかったのは、そういうこともあったのでしょうね。
なんというか、悲しいとか寂しいというよりも、気持ち的には「頑張ったね～」とか「ありがとう」っていう気持ちの方が大きかったようで、上の弟が一人家族の輪から離れて、ずーっとべそべそ泣きながら父の顔を見てはため息をついていたのを横目に、下の弟と久しぶりの再会を喜び、お互いの近況話に花を咲かせていました。
こういう所でも性格ってのも出るのかも知れませんね。
弟たちと顔を合わせたのは、数年ぶり。もしかしたら先に書いた父の手術の後、夏に一旦快気で集まったのですが、それ以来かもしれません。
割とクールな家族なのでしょうね。
白血病の型の検査の件の御礼だけはちゃんと言っておきました。
葬儀は家族葬で、一切友人知人への連絡はしませんでした。父の遺言でもあったので。
本人は葬式もいらない、火葬場に直行させてくれと言っていたらしいです(笑)
でもそれは「残された者の気持ちにもなってよ」と母が説得したそうですが……
通夜の席でそういう話などをしながら、一晩過ごしました。
そんな中……気付いたこと、笑ったことも数多く。
うちの兄弟、みんな酒が強いです……びっくりでした。私も多分かなり強い方なのですが、弟たちも結構同じくらいのペースで飲むんですよ。
まぁ本人たちは「姉さんが飲むのに、僕が飲まんいうわけにいかんじゃろ」とか「目の前でがぶがぶ飲む人がおるけぇつられた」とか言ってましたが……通夜の日は、上の弟は全く飲まなかったのですが下はその前の晩飲めなかった分（通夜はなくなった翌日。その夜は斎場に父をあずけて、実家で夕食をとりましたが、下の弟は車で来てて、帰らないといけなかったので飲めなかったんです）まぁ飲むわ飲むわ。
母も少しは飲んでましたが、３５０の缶を多分３人で１ケース分くらい空けてますね。
上の弟は、通夜の前の晩（下が飲めなかった日）にやっぱり私と同じくらい飲んでますしね。
え？ 結局一番飲んだのは私ですか？
それから、父のお棺には食べ物くらいしか入れなかったのですが、それは母が残していったものを動かしたくない、と言ったからなんですね。
その話の延長で……
私「私の時は、ご朱印帳だけは入れてね」
弟「何それ」
～説明～
弟「そういうんがあるんじゃ～」
私「で、一応生きてるうちに永代供養と戒名はしとこうと思うとるんじゃけど」
弟と母「そうなん？」
私「ん、で、間に合わんかったらさぁ、お願いがあるんじゃけど」
「何？」
「戒名に酒呑（しゅてん）って入れてくれんかな～ 叱られると思う？」
母「お母さんに言っても知らんよ、お母さんの方が先なんじゃけぇ」（何とも言い難いという顔をして、苦笑）
弟「えー、でも故人の遺志でって言ったら、してくれるんじゃないん？」
私「してくれるかなぁ」
弟「まぁ、順番で行ったら一番それを頼まんといけん可能性が高いのは僕じゃけぇ、言うだけ言うてあげるわ～」
私「んん、よろしく(笑)」
弟「で、あれじゃろ？ 僕は姉ちゃんの墓参りに行くたびに、その戒名見て、ぷぷって笑ってあげたらいいんじゃろ？」
私「そうそう、よくわかっとるじゃん」
バカかと言われるくらい、あっけらかんと、そういう話をしてました。
でもそういう弟も、３０を超えた辺りでメニエールを発病し、数年、片耳がまったく聞こえなくなっていたそうです。
色々あるよね、みんな。
上の弟は、結局世間話、近況話にはまったく参加しなかったので、結局今何をしてるのか、最近どんな感じなのかは分からずじまいなんですが、下の弟とは本当に久しぶりにたくさん話をできたので、それもいい機会だったのかなぁ、なんて思ってます。
ま、それで「これからは集まろうか」なんて言う話にはまったくならない所が、うちの家族のクールな所ですよね(笑)
でもそれが心地いい。密着した、あれこれ口を出し合う関係は合わないんだなぁと再確認した今回の一見でした。
